ドニ・ガニョン氏講演会まとめ

5月28日に行なわれたドニ・ガニョン氏の講演会「「混淆とメティス――アイデンティティの形成過程」のまとめ。 狩猟採集によって暮らしていた先住民Mamit Innuat(東部のイヌイット)においては、獲物を狩るというよりも、獲物が狩られるようにする力を持つの…

ジョスラン・レトゥルノー氏講演会まとめ

5月27日に行なわれたジョスラン・レトゥルノー氏の講演会「今日のケベックにはいかなる歴史が必要か」のまとめ。 レトルノー氏は、「過去」と「歴史」を区別する。過去はいわば生の出来事としての素材であって、組織化さていないのに対し、歴史はそのような…

ホアン・アイダル氏講演会

昨日はホアン・アイダル「教皇フランシスコの就任を祝って」(上智大学カトリックセンター主催、上智の座シリーズ第6回)に参加。アルゼンチン出身のアイダル氏は、司教養成の期間、現教皇のもとで勉学を重ね日々を過ごした。現教皇の「魅力」を「外から来…

4月11日&12日ライシテ・コロック@パリ

4月11日、12日にパリで行なわれるライシテのコロックに参加する予定。自分の発表原稿をひとまず仕上げたところ。タイトルは、"De la laïcité de séparation à la laïcité de reconnaissance au Japon"。 3・11(前)後の政教関係や文化多元主義的動向を、戦…

顔を隠すことについて

ジェラール・ブシャールの『インターカルチュラリズム』(まだ邦訳なし)を読んでいる。 スカーフやヴェールの着用は、フランスの学校では禁じられているが、ケベックの学校では禁じられていない。ブシャールの考えでは、教員が被ってもよいという。他方、ニ…

ジョーン・W・スコット『ヴェールの政治学』

最新刊の『図書新聞』3097号(2013年2月9日)に、ジョーン・W・スコット『ヴェールの政治学』の書評を書かせていただきました。ヴェールの政治学作者: ジョーン・w・スコット,李孝徳出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2012/10/24メディア: 単行本 クリッ…

シカール報告書

12月18日、シカール報告書がフランソワ・オランド大統領のもとに提出された。終末期医療にかんするフランス流の解決法を模索しながらまとめられたものだ。ルモンドの記事によれば、報告書は、医者ではなく市民の希望や期待が尊重されるべきであるという方向…

「ライシテの変貌」『ソフィア』

本日発行の季刊誌『ソフィア』(上智内外の広い読者を対象にした学術誌)に、「ライシテの変貌――左派の原理から右派の原理へ?」を寄稿しました。 フランスのライシテが歴史のなかで左派のものから右派のものに変貌していく様子を示しつつも、近年の右傾化し…

たまには更新をしないと

開店休業状態のブログだが、ときどきは更新しなければならないと思わされたことが最近あった。それは、大学受験を控えた高校生がこのページにたどり着くこともある、ということを知ったこと。 とりあえず今は、日々の授業の準備と、今週末にある宗教史研究会…

4回目の記念日

半年以上もブログを更新せずに放置してしまいました。 最後のエントリーからちょうど今日で9か月。 でも今日は記念日なので、ちょっとだけ書きます。 何の記念日かというと、香凜の移植手術の記念日です。 今月の10日に無事に4歳を迎えました。 体力なか…

日仏会館人文社会科学系若手セミナー

来る2月18日(土)、日仏会館で、人文社会科学系若手セミナーが開かれます。冬の若手セミナーは、その年度の渋沢・クローデル賞受賞者の発表になっていて、重田さんとご一緒させていただきます。私のほうは発表時間の6〜7割は本の内容をなぞるような話にな…

日仏会館若手研究者セ​ミナー(フ​ーコーと歴史)

明後日の日曜日、11月20日14時より、日仏会館にて、人文社会科学系若手研究者セミナーが開催されます。このセミナーは、若い気鋭の専門家が、一般の人にもわかる言葉で研究内容を披露し議論する、というのが特徴です。今回のテーマは、「ミシェル・フ…

現代フランスの宗教状況とカトリックの社会的射程

ご縁あって、タイトルの記事を「中外日報」に書かせていただきました。ネットでも記事が読めるようです。紙媒体の新聞だと、ちょうど前半と後半がうまく切れたレイアウトになっています。 フランスにおいて、社会的な射程を持った宗教の活動、これまでは歴史…

鉄道画家 松本忠の個展

応援部時代の先輩や後輩そして同期には、しばしば風変わりな人物がいたものだが、同期で東北大の団長をやっていた松本忠は、今は鉄道画家として活躍している。そんな彼から、個展の案内ハガキが届く。3月までいた仙台の住所に送られていたものだったが、2回…

11月5日 砂川政教分離裁判(宗教法学会)@東京基督教大学

第63回宗教法学会(2011年度秋季学会)が11月5日(土)、東京基督教大学(千葉県印西市)で行われます。シンポジウムのテーマは、「砂川政教分離裁判とその後――国公有地上の宗教施設をどのように取り扱うか」。詳細はこちら。

10月3日ミシュリーヌ・ミロ氏講演会@上智

来る10月3日、以下のようにミシュリーヌ・ミロ氏の講演会が行なわれます。 宗教の多様性をどう教えるか―ケベックの「ライシテ」体制における宗教教育― ミシュリーヌ・ミロ教授 講演会 カナダ・ケベック大学モントリオール校(UQAM)社会学教授 モントリオー…

9月29日〜10月1日 UNIFAアジア・フランコフォン大学@日仏会館

この学術シンポジウムには、中国、韓国、香港、日本、台湾、ケベック州(カナダ)、フランスの研究者約30人が出席し、「アイデンティティー、デモクラシー、グローバリゼーション」をテーマに、フランス語で講演やパネル・ディスカッションが行われます。 詳…

講演会「イタリアにおけるライシテ」

来る8月31日、以下の要領でイタリアのライシテについての講演会が行なわれます。ショート・ノーティスですが、ご関心のある方はぜひご参加ください。 A.ザンバルビエーリ氏講演会 「イタリアにおけるライシテ」 日時:8月31日(水)16時〜 場所:東…

本日発売

社会統合と宗教的なもの ― 十九世紀フランスの経験作者: 宇野重規,高山 裕二,伊達聖伸出版社/メーカー: 白水社発売日: 2011/07/23メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 147回この商品を含むブログ (13件) を見る 若手研究者の論文集で、個々の論考は独立して…

読書会

ケベック研究、カナダ研究ではまだまだ新参者ながら、少しずつきちんと勉強していかなければと思っていたところ、ちょうど明治にインターカルチュラリズムを研究している院生がおり、読書会をしようという話になりました。 第1回目は、様子見という感じです…

高温注意情報

今の学部には、教員が参加するランチタイム・フリートークというのがあって、まずは新任教員に出番が回ってくる。私の番は昨日で、「宗教からの脱出と宗教の再構成――フランス語圏地域研究から見た政教関係の国際比較のために」というタイトルでお話をさせて…

6月30日「ヒロシマ、チェルノブイリ、フクシマ」@東大駒場

6月30日にジャン=ピエール・デュピュイ氏による講演会が行なわれます。 以下は、主宰者・世話人の増田一夫先生からの案内文です。「転送歓迎」とのことなので宣伝します。 みなさま、 東京大学、駒場キャンパスにて、来たる6月30日(木)にスタンフォード大…

7月10日 人文社会科学系若手研究者セミナー@日仏会館

来る7月10日(日)恵比寿の日仏会館にて下記の通り若手研究者セミナーが行なわれます。学会・研究会というよりは、一般市民講座の感覚に近い会です。以下に案内を貼り付けますが、詳細はこちらをご覧ください。 今回の若手研究者セミナーは、バタイユ研究で…

再掲 6月13日、セルジュ・カンタン氏講演会

6月13日に上智大学、14日に明治大学で、セルジュ・カンタン氏の講演会が行なわれます。 日本ケベック学会(AJEQ)のリンクを貼っておきます。→こちら 以下は、13日のぶんの宣伝です(再掲)。学部のゼミ生にも参加してもらう講演会で、カナダやケベックの歴…

チャールズ・テイラーとケベックのカトリック(7月2日AJEQ研究会)

日本ケベック学会(AJEQ)では、来る7月2日(土)16時より、明治大学駿河台キャンパスで研究会を行ないます。詳細はこちらもしくはこちら。 私はケベックのカトリックについて勉強中のことを話す予定ですが、もう一人の発表者が『人権をひらく』の著者、森田…

社会統合と宗教的なもの――十九世紀フランスの経験

白水社より、7月に刊行されます。取りあげられる思想家は、コンスタン、サン=シモン、コント、ラムネ―、トクヴィル、プルードン、キネ、ルヌーヴィエ、デュルケムなど。政治哲学・社会思想史・宗教学のコラボになっているのではないかと思います。乞うご期…

6月4日(土)宗教法学会@龍谷大

今度の土曜日は龍谷大の宗教法学会。綿密な準備をしたいけれど、学期中だとなかなか手が回らないのが実情で、基本的には去年の夏の日仏若手セミナーで発表したことを活字にするつもりの発表。せっかくの京都だけれど、夜に到着して翌日学会に出て帰るという…

理IIIから宗教学へ

専修大学で開催された日本フランス語教育学会に前日の懇親会から参加し、今日の午前中の研究発表を聞く。リール時代の懐かしい面々と再会したり、これまではお名前のみ存じあげていた先生方とお話したりする。 帰りに書泉グランデによって、いったん会計を済…

6月13日(月)「宗教からの脱出、ネーションからの脱出」@上智

宗教からの脱出、ネーションからの脱出 ――フランスのライシテ、ケベックのサバイバル―― セルジュ・カンタン教授 講演会 日時:2011年6月13日(月) 17時より 場所:上智大学10号館 B108A 教室 言語:フランス語(日本語の通訳と解説が付きます) セルジュ・…

5月20日(金)映画『哲学への権利』上映会と討論@上智

来る5月20日(金)、西山雄二監督作品の映画『哲学への権利』の上映会と討論が上智大学で行なわれます。詳細は以下の通り。 5月20日(金)上映=17:00-18:30 討論=18:40-19:50 上智大学 四ッ谷キャンパス12-102教室 討論者:赤羽研三(文学部フランス文学科)…