三校校正中・・・

 初の単著の三校を直しているが、とんでもないことに気づいてびっくりする。著者校正はこれで最後なので、「危なかった、このままでなくてよかった」と胸をなでおろすとともに、「ミスの根絶は不可能だろう、とんでもないことがやっぱり最後まで残ってしまうかもしれない」という気持ちにもなる。
 いくつかの例。

 ・なぜか、ハンス・「ゲオルグ」・キッペンベルクだと思っていたけど、調べたら「ゲルハルト」だった。
 ・「必至の反対」→「必死の反対」
 ・「神学的・形而上学的の延長線上」?→神学的・形而上学的「精神」の延長線上(危ない!)
 ・「他律的で絶対性な神」→他律的で絶対「的」な神
 ・『実証哲学体系』(コント)→『実証「政治」体系』(危ない!)
 ・「アンシャン・レジーム」と「アンシャン=レジーム」の表記混在。
 ・「サン=シモン主義」と「サン=シモニスム」、「サン=シモン主義者」と「サン=シモニスト」の表記混在。
 ・「ネオ・カトリック」と「ネオカトリック」の表記混在。
 ・「テクスト」と「テキスト」の表記混在。

 人名索引・事項索引という、とても面倒くさいのも作成しているが、おかげで固有名詞の表記ゆれに気づくという効能もあることが(ちょっと)わかる。
 それにしても、こういう作業は、ストレスのたまるゲームをやって、現実に戻ってこれないような感覚に近い。こういう仕事のやり方をしてはいけないと思う一方、こういう仕事は一気呵成にやったほうがよいとも思う。はひー。