2008-02-01から1ヶ月間の記事一覧

吉田健一と森有正(辻邦生「ある試みの終り」より)

辻邦生の文章に、吉田健一と森有正を比較して論じたものがあるということは前々から知っていたのだが、はじめてその箇所を読んだ。「森有正――感覚のめざすもの」(新潮社版全集第15巻)の最後のあたりである。そこには明治以来、日本の知識人が西欧コンプレ…

死と死別の社会学(澤井敦)

澤井敦『死と死別の社会学』を読む。死と死別の社会学―社会理論からの接近 (青弓社ライブラリー)作者: 澤井敦出版社/メーカー: 青弓社発売日: 2005/11/01メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 21回この商品を含むブログ (9件) を見る 手際のよい連続講義を聴…

コントの死者崇拝について

死生学関係で論文を書こうと思って、オーギュスト・コントについてあれこれ考えています。 彼の死者崇拝論はもっと見直されてよいのではないかと思っています。 人類教を唱えるコントは、フェティシズムに大きな意味を与えますが、これはフロイト以前のフェ…

サルコジ氏、ライシテ、「市民宗教」(アンリ・タンク)

猫屋さんのところで知ったル・モンドのアンリ・タンクの記事、1月25日のものですが、ざっと訳出しました。2月10日の発表に備えて、現代のライシテと市民宗教の関係をおさえておこうと思ったのですが、あまり議論が掘り下げられていないのが原因なのか、訳し…

国家・中間集団・個人と宗教について少々

稲垣久和『国家・個人・宗教――近現代日本の精神』を読む。 宗教と公的空間ないし公共空間の関係という問題系を掘り下げていきたいという関心からだ。国家・個人・宗教 ~ 近現代日本の精神 (講談社現代新書)作者: 稲垣久和出版社/メーカー: 講談社発売日: 200…

予告GEFCOで発表

今度の日曜日、現代フランス研究会GEFCOで発表する予定です。 ライシテの歴史を市民宗教という概念とつき合わせるというのが発表趣旨ですが、私は現代史に強くないので、ちょっとこれから補強しておかなければなりません。サルコジの結婚の話などはどうでも…

ニコラ・サルコジの宗教政策、あるいはライシテの行方

国際宗教研究所ニュースレターに表題の論文を寄稿しました。 同研究所は、宗教研究者と宗教家の接点となるような役目を果たしており、多くのシンポジウムや講演会を行い、年報『現代宗教』や年4回のニュースレターを発行しています。詳しくはコチラをご覧く…

方針変更のお知らせ

久々の更新となりました。 もともと当ブログは、在仏時に、日本語力の低下防止と肩の力の抜けたフランス・ウォッチを目的に、博論の片手間に、あるいはフランス哲学と主婦道の片手間に、軽く文章を書く夫婦ブログとしてはじめました。 ですが、(き)は博論…