2006-11-01から1ヶ月間の記事一覧

幸田文『闘』――結核の近代文学

ここのところ寝る前に幸田文の『闘』を読んでいて、それが読み終わった。いつかおひるね堂さんが日本から持ってきてくれた文庫本のひとつで、今まで手をつけていなかったものだ。結核病棟を舞台にした小説で、様々な患者と医者や看護婦のやりとりを追ってい…

シテ・フィロ最終日

11月の恒例行事シテ・フィロも今日が最終日。家事・育児に追われてフィロソフィどころではなかったけれど、最終日の今日、ゲストがドゥルーズについて書いている人だったのもあって、夫が行ってきなよ、と快く背中を押してくれた。慌ててまあちゃんにおっぱ…

「市民宗教」対「ライシテ」

最近よくタイトルに踊らされている私、である。この前は、「ロラン・ファビウスがライシテ憲章採択を賞賛」にやられた。今回は、イヴ・デロワの論文の中に「religion civile versus laïcité « à la française »」(市民宗教対≪フランス流ライシテ≫)「l’impos…

タラル・アサド『世俗の形成』

「宗教」を理解しようとする学問は、その対となるものの理解にも努めなければならないはずである。−−タラル・アサド Formations of the Secular: Christianity, Islam, Modernity (Cultural Memory in the Present)作者: Talal Asad出版社/メーカー: Stanford…

ロラン・ファビウス、ライシテ憲章採択を推奨

こんなタイトルがル・モンドに踊っていたので、えっと思った。読んでみると、こうした憲章がもう採択されていてそれを称えているとかいう話ではなくて、もし大統領に選出されたら、という仮定の話。 社会党の党内選挙を前に、やや旗色が悪く見えるロラン・フ…

シテ・フィロ開幕

リールの11月の恒例行事、シテ・フィロがはじまった。今年で10回目を数えるこの催物は、その設立者のひとり、ジルベール・グラスマンによれば、大学での「コロック」のように専門家同士(およびその道を志す学生)の議論の場でもなく、街の「カフェ・フィロ…

フランス・ノール県における道徳と学校のライシザシオン

11月3日に「北フランスおよびベルギー諸州における16世紀から今日までの宗教と教育」というコロックがリール第三大学で開かれるのだが、なんと今回そこで発表をすることになっている。 フランス語で学会発表するのは4回目だが、うち2回は東京での国際学会で…