一時帰国がえり

 出発前に予告しておく暇がなかったけれども、9月7日から24日まで日本に一時帰国していました。
 主な目的は、学会発表と、3ヶ月の娘を親戚や友人に見てもらうこと。あわよくば、論文も進めたいと思っていたけれども、予想通り一行も進められず。日本語の本もそんなに読まず――『ナナ』と『バガボンド』なら最初から最新刊まで読破したけれども――買い求めた20冊ほどはそのまま持ち帰り。日本に戻って感じた日本語力の低下と、フランスに戻ってきて感じるフランス語力の低下には我ながら危機感を抱くものがあり、今週末のトゥールーズでの発表と通訳めいたことがきちんとできるのか、かなり困っています。
 日本での学会発表というのは宗教学会で、「宗教と公共空間の変容――フランスの事例を出発点に」というパネルでマルセル・ゴーシェの宗教論について話してきました。このブログはそもそも個人的なものとしてはじめたので、なるべく関係者にわかられないようにと思っていたのに、お里はばれるものなのか、学会の懇親会などで思ったよりも見られていることを知り(「読んでますよ」とか「あなたのブログらしきものを発見しました」とか)、それならいっそこちらのアンテナにも、私がよく訪れている宗教学関係のブログも組み込んでしまおうかなどと思ったり。
 娘はいろんな人にかわいがってもらいました。ぬいぐるみや洋服などもいただいて、本当にありがとうございます。今回個人的に面白かったのは、実家に帰ったときのこと。うちの母というのは息子が帰ってくるというと――いつも「いらない」というのに――下着や靴下を新調して待っているので、いつからかほとんどそれを当てにして、今回に限っては全く替えを用意しないで帰ったら、ものの見事に、孫の布団やらベビー・チェアやらベビー・シートやらは完璧に用意されていたのに、こっちのパンツ、シャツ、靴下は一切なく、愛情の対象がここまでがらりと代わるものかと笑えました。(き)

2006年10月3日追記:結局、宗教学関連その他のブログをいくつかアンテナに組み込むことにしました。(まだ存じ上げない方のものもあるのですが)既に知っている方は、お断りするまでもなく鷹揚にどうぞどうぞと言ってくださりそうな方ばかりなので、そのままアンテナに入れさせてもらうことにいたします。