今年一年を振り返って

 日本ではもう新年が明けた時間で、こちらでも2006年は残すところいくらもない。今年を振り返ってみて、とにかく早かった。去年の今頃のことを思い出してみると、1年も前のことという気がしない。
 本業の方で、目に見える成果は、あまり出していない。学会・研究会発表が3つと、書いた論文が2本。その論文のうち1本は研究会発表にちなむものだし、もう1本は来年の業績扱いになるのではないかと思う。発表は2つがフランス語で、1つは企画したパネルだったので、まず評価できるとは思うけれども。
 最大の課題のPhD論文だが、去年の時点では、3部6章構成のうち1章をとりあえず書いたという状況だった。今では4部10章に発展して、9章分は第一稿と呼べるような形になっている。こう言うと順調に進んでいるようだが、今になって見直してみると、問題がかなり山積していることがわかる。この段階に達するまでは、これを終えたら8割方は終わりではないかと踏んでいたのだが、いざこのあたりまで来て見ると、穴だらけでどうしようもない。まだ6割くらいではないだろうか。
 来年の目標は、なんとかこの論文の完成にまで漕ぎつけて、日本に完全帰国すること。2週間くらい前、そういうふうに年賀状に書いてしまったからなあ。いや、帰れるかどうかは微妙なところです。
 世界情勢、社会問題では、首を傾げるようなことが多かったように思う。何も今に始まったことではないかもしれないが、そう感じることがしばしばだった。あまりよいとは思えない方向に巻き込まれつつある、あるいはすでに巻き込まれているのかもしれないと思えば不安にもなるが、現実の生活の手ごたえを確かめることまずありきでありたい。
 我が家の今年の十大ニュースをやるとしたら、子どもの話題で尽きそうです。生まれたこと、退院してきたこと、ものが持てるようになったこと、離乳食を食べたこと、クレッシュ・デビューしたこと、寝返りを打ったこと、歯が生えたこと、足の指を舐めたこと、起きて顔を見るとニコニコしたこと、ハッハッハークションとしたらケタケタ笑ったこと、自分で振り回したがらがらを顔にぶつけて一瞬間をおいて泣き出したこと――あ、もう10個越えちゃった。
 来年は稔りの年、飛躍の年になりますように。来年もどうぞよろしくお願いします。(き)



 今日のまあちゃんはちょっと夜更かし。一緒に年越しするか?などとパパがあやしてくれている間に私もちょっと付け足し。ああ、結局家事育児に明け暮れて幸せなお母さんのようです、私は。本当に私にも彼にもよく似ていて、見ていると無性に感極まるときがあります。
 さてマステール論文をどうするかは延ばし延ばしの課題。ドゥルーズはライフワークだ、などと豪語してしまった手前、後に引くにも引けず、進めようにも遅々として進まず、ずるずると2年目も半ばまで来てしまいました。プラトンだってドゥルーズだって読めば面白いのだけど、これはもうある意味で知ってしまっている面白さ。だいたい元々夫のように地道な努力が重ねられる性質ではないのです。
 まあちゃんとの毎日は日々更新。常に新鮮、常に全力勝負。お母さんは気力体力勝負。でも太宰治じゃないけれど、「子どもより、大人が大事と思いたい」ってのは実は深い言葉で、それでないと子どものためにもならない。精進しないといけないなと思っているのです。
 さて来年どうなるやら。ブログももうちょっと書けるといいなあ。(ふ)