次女誕生

kiyonobumie2008-10-10

 2008年10月10日23時54分、2人目の子どもが仙台で産声をあげました。2722グラム、1人目よりは若干すらっとした感じの元気な女の子です。日が変わってからの更新ですが、産後の経過は順調で、母子ともに健康です。
 長い一日でした。前日の検診では、子宮口がまだ1センチほどしか開いていなく、先生からは「これだともうちょっと先かねえ。来週またいらして下さい」と言われて帰ってきたところ。それだけに、今日じゅうとは。
 妻は午前中に買物に出かけたホームセンターで少し歩きまわったようで、お昼ごはんを食べはじめたころからおなかの張りが5分ごとになるように。我慢できないという感じの痛みではなかったようですが、症状としては病院に連絡すべき段階。電話では「1時間経って、ひどくなるようでしたらまた連絡を」とのこと。
 同じような症状のまま1時間経過したため、とりあえず診てもらいに行くことに。そこでは「微妙ですね。このまま入院してもいいのだけれど、今日ってことはないかなあ」と。入院が1日増えるとそれだけ費用もかかるので、「いざというときにすぐ来られる距離なら、うちに帰って様子を見た方が」との勧め。
 実を言うと、今週末はフランスでご近所だった仏日カップルGとYさんが、山形での学会への参加がてら沖縄から遊びにきてくれることになっていたのです。こんな機会もまたとないと思われたので、ぜひうちに泊ってもらおうと思っていました。出産が近いということは伝えていたので、向こうも遠慮してくれていたのですが、様子を見ながら臨機応変に決めようということになっていました。前日の検診の結果が結果だっただけに、「問題ないから、うちに泊って」と言っていたのです。
 私と娘が2人の迎えに仙台駅まで出るとき、ちょうど妻の検診も終わったので、駅で待ち合わせて一緒に帰ることに。ところが病院から駅まで歩いてしまい、駅構内で痛みがひどくなり立ち往生することに。私と会ったとき、妻は売店の裏で手を壁について顔を歪めておりました。心配した周囲の人が、親切にも駅員に連絡を取ってくださり、その場で椅子に座って様子を見たあと、医務室に移動することになりました。
 妻は陣痛が来たり引いたりするたびに、「普通歩かないわよね。今から病院に戻ろう」、「やっぱりみんなと家でご飯食べよう」と、まあ当然と言えば当然ですが、そのつど逆のことを申しておりました。ですがそのうち、「戻ってもこんな調子じゃ2人もびっくりするわね、顔だけ見たら病院に戻るわ」ということになりました。
 そうこうするうちに2人が着いたので、医務室に来てもらい、挨拶が済むと、妻は車椅子に乗せられてタクシー乗り場に。私と娘と到着した2人は、いったん家に戻ってご飯を食べることに。もちろん妻一人で心配ではありましたが、悪くなる病気ではなく、これから生命が誕生するわけですから高揚感があり、腹ごしらえをしたあと、付き添えばいいのだとこちらは迷わずに判断がつきました。
 妻に入院用具と晩御飯を届ける役を母に頼み、とりあえずご飯を食べようとすると、突然の来客が。お世話になっているKさんで、母もテンションがあがり、なかなか出発できなくなり、そこへ妻から「おかあさん、あとどれくらいで着くかな」のメールが。早く行ってあげてとけしかけると、「わかってるわかってる」と例のハイテンションで、その調子に巻き込まれそうになりつつ、こういうときこそこちらは冷静にならなければならないと言い聞かせました。
 母が戻ってきたら交替で出かけるべく、私は3人のお客さんと食事とお酒を楽しんだあと、娘と一緒にお風呂に入り、出かける準備に取り掛かりました。
 23時に分娩室に到着すると、妻もちょうど今入ったばかりとのことでした。小さく唸るような声でもうだめと看護婦に繰り返していました。面白いなと思ったのは、この段階でも陣痛は「波」だということで、その波を繰り返しながら少しずつ進行するのだということ。赤ちゃんの方が出ようとしているから、腰をつけて鼻から息を吸って口から長く吐くというのが本当に有効だということ。日付が変わるかどうか微妙なところでしたが、最後頭が出ると上半身が一気に出てきました。
 1度目が帝王切開だっただけに、2年と少し後の自然分娩で大丈夫かと心配でしたが、というかそこが1番心配したところですが、無事に生まれてほっとしました(実を言うと、帝王切開の経産婦に自然分娩を認める産院は、今日の日本ではかなり少ないのです)。
 長女と次女。やはり似てはいますが、違いもあって、次女の方が妻の家の系統の要素が強いような気がします。泣き方やおっぱいの吸い方も違うようで、長女は力強かった印象ですが、次女はなんか優しさがあります。
 まあ女の子だろうと思って、名前を考えていました。香凜(かりん)にしようと思っています。最初は、次女らしく「み」とか「り」とかイ行の音ではじまる名前を考えましたが、「りんか」よりは「かりん」だろうかと思いました。妻が言い出した名前で、最初は音だけ聞いて苗字と合わないような気がしましたが、漢字にしてみていいかもと思うようになりました。最初に思い浮かんだのは「華凜」でしたが、「香凜」の方が画数がよいとのことです。
 2008年10月10日。和暦で言うと、平成20年10月10日。限りなく11日に近い10日ですが、ずいぶんぴったりとした覚えやすい誕生日だと思います。
 長女のときも、6月11日生まれの有名人を調べてみましたが、10月10日で調べてみますと、あの『シテール島の巡礼』のヴァトー、ヴェルディ菅直人野坂昭如倉橋由美子高橋留美子など。それから、先ほどは「G」とぼかして書きましたが、今回お客さんとして来てくれたフランス人はジスランという名前で、10月10日は聖ジスラン(ギラン)の日だそうです。彼が来た日に生まれ、その日が彼にちなんだ聖人の日だというのも、なんだか出来すぎのような気がします。(き)