旗色悪し、希望は捨てず

 我が家の次女のことですが、多方面からご心配いただきありがとうございます。
 残念ながら、経過を見るに、いい方向に向かってはおりません。
 経緯を簡単に説明しますと、なかなか血が止まらなく、その原因はいまだに不明なのですが、大きく言えば、凝固因子に問題があるか(凝固に関係する数値APTTは、最初は器械では針が振り切れて計測不可能だったとのことで、医師たちもこんなものは見たことがないそうです)、肝臓が正常に働いていないか、互いに重なり合いもする二つの方向ということです。
 最初は凝固因子輸血、血小板輸血を行なうことで、数値を回復させ、自力で回復できるかどうか様子を見るという方向でしたが、しばらくすると数字が元に戻ってしまうので、今のところ自分の力で回復する能力がないようです。しかも元に戻る時間が早まっているとのことで、病状は進行しているとの判断です。
 より効果的な治療をということで、血漿交換と透析(アンモニアや乳酸の数値も高いので)を行なうことになり、その治療効果は出てはいるのですが、やはり器械に頼ってのことで、しばらく時間がたつと数値は元に戻ってしまいます。つまり、状況をよくしても、自分の力で肝臓をはたらかせることができないようです。
 現在娘は小児科のICUに入っているのですが、神経科や肝臓の専門医とも連携を取りながら進めており、小児科では血漿交換が最後の砦ということで、肝臓移植も視野に入っていました。ただ、病院側から肝臓移植を行なっている東北大に問い合わせたところ、難しいという回答があったそうです。理由は3つ。
 1、新生児だということ。うちの娘は生後11日ですが、この日齢での手術は前例がないそうです。生後25日(新潟大)、27日、28日(京都大)という例はあるそうなのですが・・・
 2、提供者の問題。脳死者からの移植は考えにくいため、あるとすれば生体肝移植であろう、と。ただ、娘の母親に当たる私の妻は産後間もないので、健康状態を考えると手術を行なえないとのことらしいのです(妻は特にこの点が納得いかないようで、明日明後日にでも直談判する気ではあるようなのですが)。娘の父親に当たる私の場合は、大きすぎてサイズが合わないとのこと(初めて知ったのですが、肝臓を切るときには切る場所が決まっているそうで、必要なサイズ通り切るわけにはいかないのだそうです)。
 3、障害の可能性。脳にも異常信号が出ているようで、助かったとしても将来障害が出る可能性がどちらかと言えば高いそうです。肝臓だけが問題ならともかく、このような問題も付随していると、肝移植の許可が下りにくいようです。
 肝臓移植ができないとなると、血漿交換による回復を待つしかないのですが、これも保険で認められる回数が10回までらしく、このままでいくと来週の月曜日が最後の血漿交換になってしまいます。うちには目玉の飛び出るようなお金を払う財力がそもそもないですが、仮に私が資産家だとしても、同じ医療なのに保険の対象内になるものと対象外になるものがあるというわけにはいかないらしく、私の方から払うことは制度上認められないそうです。病院側としては、血漿交換を続けることによって、自力再生が促されることが確認できれば、治療継続をすることも不可能ではないようなのですが、そうでないかぎり続けることはできないとのことです。そうなったら、治療をやめて、だんだん元気がなくなっていって、命がふっと消えていくのを見守るしかないという選択かもしれません。
 時間も限られていますが、1)生体肝移植の可能性を探るということ、2)血漿交換が続いているあいだに、今のところ数字上ははたらいていないように見える肝臓(壊れてはいないのです――これが原因不明の一因でもあります)が、天文学的な肝細胞の増殖を続けて、再生することを祈ること。助かるとしたら、このどちらかでしょうか。
 何かお知恵や役に立つ情報があればご教示ください。