生体肝移植への道

 香凜の病気については基本的に退却戦を強いられていますが、今日はちょっとだけ希望の道が開けました。
 前回のエントリーで、HARUKAさんから、ミクシィのコミュで情報が得られるかもしれないとのコメントをいただきました。早速「肝臓移植ネット」のコミュ二ティに参加したところ、心ある方が自治医大のK先生の名前を挙げてくださり、その先生とその先生にずっとついておられるM先生の連絡先を教えてくださいました。
 それで昨晩資料を作成し、メールでお送りしたところ、今朝M先生から(現在香凜が入院中の)子ども病院と連絡を取ってみますとのお返事がありました。そこで、私の方からも子ども病院のW先生に連絡を入れ、先生どうしでコンタクトを取っていただくようにしました。しばらくすると電話があり、子ども病院が打診していた京大と成育センターからは「難しい」との答えが返ってきたが、今日の午後にM先生が栃木から来て、状況を見てくださるとのことでした。昨日いきなり打ったメールに、これだけの機動力で対応してくださるとは!感激です。
 自治医大のM先生側と子ども病院側との情報交換が一通り済んだあと、面談室でお話をお伺いしました。「適応があり、禁忌がなければ、難しいかもしれないが、肝移植手術をやってみるだけの価値はある」との結論でした。今までは、うちでは手術を引き受けられないという返事だけだったので、ちょっとだけ、希望の光が見えた思いです。
 香凜も、今の状態が維持できれば(手術までに搬送などの段階で状態が悪化しなければ)、手術は「適応」だそうです(生後14日で体重が3キロ程度という難しい条件にもかかわらず!)。あとは、ドナー側の「適応」が得られれば、手術にまで漕ぎ着けることができるかもしれません。香凜がA型、私がAB型、妻がO型なので、私は適応ではないと思っていたのですが、新生児の場合、血液型不適合でも別に問題ないらしく、妻は産褥期ですので、私が第一候補です。
 とにかく明日、自治医大に適応かどうかをはかるスクリーニングに、私と妻と二人で出かけてきます。越えなければならない山はまだいくつかありますが、現時点で可能性は潰えていないというのが励みです。早ければ、数日中に手術という段取りになるかもしれません。
 私がドナーということになれば、11月の予定を組み直さなければなりませんが、術後の経過が順調なら、そこまで周りに迷惑をかけずに済むかもしれません。私は世間的には「高学歴」でして――私自身はあまり頭がよいとは思っていませんが――「ワーキングプア」のカテゴリーにいつでも入りうるあたりにいます。ですから、それなりに大変なことはいろいろあるのですが、それでもこういうときに時間をある程度どうにかすることができる身分というのは、ありがたいことなのかもしれません。
 情報化社会において、患者の家族の方から動いてできることというのはあるのだなというのが今日の実感です。これでうまくいったら、「はてなミクシィが娘を救った」ということになるかもしれません。情報を寄せてくださったり、支えてくださったりしている方々に感謝です。