教育一色の一週間

 教育色一色に染まってしまった怒涛の一週間。
 いきなり週7コマ教える生活についに入ってしまった。
 まったく慣れない。
 東京と仙台の往復もある。
 もっとも本務校のほうでは、人数が集まらずに成立しなそうなものもある。
 残念なような、助かったという気持ちのような。
 しかし、何というやりがい。
 何より学生からの反応が嬉しい。

 たしかにいろいろショックは受ける。
 「大橋巨泉クイズダービー」をまったく知らないというのは、まあいいとして、かなりいい大学と思えるところで、話の流れで「丸山真男」の名前が出てきたときに、ためしに挙手させてみたら、知らないという人のほうが、知っているという人のほうを上回っていた。本務校でのある授業では、村上春樹エルサレム賞のスピーチを取り上げてみたのだが、このスピーチ(が話題になったこと)を知っている人と聞いたら、まったく手が上がらなかった。そもそも村上春樹を知らないといって手を挙げた学生(3、40人くらい)のほうが、知っているといって手を挙げた学生(20人くらい)よりも多かった。まあ150人くらいいたなかでのことで、わかっていても反応しなかったということはあるだろう。

 ゆとり教育世代の学力云々とさんざん聞かされていたので、ある意味ではそれを実地に体験したような格好になってはいる。

 しかし自分としては、今のところ、そうした意見を追認することはやめておきたい。こちらの慣れない教え方にもいろいろ原因があるし、面白い話をすれば、学生はちゃんと聞いてくれる。反応は実地ではわからないところがかなりあるが、コメントシートなどを見ると、話の要点はかなり相手に届いていることがわかる。もっとも、いろいろなことを言われるので、それらを踏まえつつ、どこに照準を合わせていくか、まだもう少し試行錯誤が続くだろう。

 しかし本当に今週は教育一色で、研究・事務・その他に使える時間がほとんどなかった。
 私自身、「子を持ってわかる親の苦労」みたいなことは、まだ実感として感じたことがないのだが、今こうしていて、(自分が教わってきた)大学の先生がたって偉いんだなあとひしひしと感じている。