ケベックを知る1冊

 フランスのライシテからケベックのライシテへと関心を広げたいと思いながらも、ケベックについてなかなか具体的なイメージを抱くことができなくて、何かよい探本がないかとしていたのだが、次のような本が出ていることを知り、早速購入した。
 

ケベックを知るための54章 エリア・スタディーズ

ケベックを知るための54章 エリア・スタディーズ

 カトリックの変化やマイノリティ問題と絡めてライシテの話も喚起されている。フランスのライシテではあまりキーワードとはならないが、ケベックのライシテでクローズアップされる用語にaccomodements raisonnablesがある。「マイノリティの人たち」の章を執筆されている飯笹佐代子さんは、「合理的配慮」という一般的な訳を踏まえつつ「妥当なる調整」と訳しておられる。なるほど、いい訳だ。しかし、まだこれが定訳になる段階でもないように思う。ライシテ関連のキーワードの訳語は難しい。
 いずれにせよ、少しずつケベックについての知識を蓄え、イメージを豊かにしていきたい。