シンポジウム「日本の近代化」再論

 今週末、日仏会館で非常に興味深いシンポジウムがある。
 「「日本の近代化」再論:「近代主義」の何を継承するか?」というものだ。個人的には、このところ、フランス語で日本の近現代の宗教史(ライシテの歴史)をざっくりと巨視的にとらえるということを考えていて、大いに参考になりそうだ。土・日と参加したいけれども、土曜日だけになるかなあ。
 その準備でもあるのだが、パネリストのひとり松本健一の『北一輝論』を読む。修論で日本のことをやっていた時分に何かの拍子で買ったのだが、まったく読んでいなかったものだ。

北一輝論 (講談社学術文庫)

北一輝論 (講談社学術文庫)

 恥ずかしながら、2・26事件の青年将校たちの頭のなかと、北一輝の思想とがここまで違うということははじめて知った。北の超国家主義は、集団主義どころか、徹底した個人主義を基礎としている。今まで考えたこともなかったけれど、箕作麟祥中江兆民幸徳秋水北一輝というような系譜も描きうるのだなと。