6年ぶりのスペイン、6年ぶりの友

 今週は、春からの疲れが出てしまったようで、かなりスローペース。腰がどうにも重だるく、寝れない、起きれない、という状態で、マッサージに行ったら熱が出て、次の日「主治鍼灸師」に診てもらい、ようやく底を打った感がある。完全にリセットとはいかないが、ここから上昇気流に乗りたい。
 出発はいよいよ明日。発表原稿の手直しは、実はその後ほとんど進んでいないが、なんとかいい発表にしたい。そのためにはコンディションが重要だ。というわけで、しっかり鋭気を養うべく、ちゃっかり発表前に遊ぶ計画を立てた(笑)。
 実は、スペイン人の友人と6年ぶりに会う予定なのだ。私のフランス留学生活はトゥールの語学学校で幕開けしたのだが、そこで特に仲良くなったのがスペイン人のPとMで、体格のよい好人物のPは、友情はその場かぎりというタイプで、その後はぷっつり音信が途絶えてしまったが、一見真面目そう(実は超女たらし)なさわやかメガネのMは、ずっと縁を大切にしてくれて、2003年の夏に私がマドリッドに遊びに行ったときには家族で歓迎してくれた。個人的な経験から言って、私のスペインの印象はすこぶるよいのだ。
 今回スペインに行くので、一応連絡を取ってみた。もう予定が入っているかもしれないし、入っていなくてもマドリッドからサンチアゴは遠いだろうし、と思って、本当に「一応」という感じで連絡してみると、なんと会いに来てくれるというではないか! 私は会う前からもうすっかり感激してしまっている。猛暑だった2003年夏のマドリッドの記憶があれこれと蘇ってくる。
 明日、私はロンドン経由でラ・コルーニャに入るつもりなのだが、彼はそれに合わせてマドリッドからサンチアゴに飛び、あとは陸路で移動して会いに来てくれることになっている。タパスをつまみながら積もる話に花を咲かせて杯を重ねれば、すぐにバカンス気分になれること請け合いだ。なにより、見知らぬ街で、ほとんどわからないスペイン語環境で、ひとりの友人を水先案内人にできるということは、どれだけ心強いことか。
 もっとも妻は、私が女好きのMとつるんではめをはずしすぎないかと心配している。