ラ・コルーニャ着

 成田を発ち、ロンドン経由でスペイン北西の港町ラ・コルーニャに入る。現在日本からスペインまでの直行便がなく、どうやってなるべく安い値段でサンチアゴ入りできるか、旅行関係の仕事をしている旧友に聞いたら、このルートを教えてくれた。ラ・コルーニャからサンチアゴまでは列車で1時間程度である。
 航空券は、ロンドン・イン、パリ・アウトのJALのチケットと、ロンドン、ラ・コルーニャ間の往復チケットの組み合わせ。2番目のほうは、あまり有名でないローカルな航空会社の格安航空券で、JALと提携を結んでいないため、ロンドンの乗り換えが少々厄介に。つまり、預け荷物がそのまま目的地まで行くような設定ができないため、単に乗換案内に沿って進めばいいのではなく、いったん入国審査をして、荷物を引き取ってから、再度搭乗のためのチェックインや出国審査をする必要があった。
 「脇目も振らずに走ってください」との忠告を事前に受けていた。幸い、ロンドン着が遅れることはなく、むしろ若干早いくらいに着いてくれたので、大丈夫だった。とはいえ、入国審査と再搭乗手続きはどちらも長蛇の列で、日本からのフライトのあとには、ややきついものだった。
 ラ・コルーニャの空港からホテルまではタクシーで移動。21時を回っているのに物憂い午後のように明るい。ヨーロッパの夏だ。ホテルは海からは離れているのだが、タクシーから降り立つと、潮の匂いがした。スペインにしては、湿度もあるし、そこまで暑くないという印象だ。
 ホテルにチェックインして、部屋でインターネット接続を確認する。便利だが、メールや仕事を気にしてしまうのは、「スペインに来た!」という感慨が曇らせかねない。ちょっと小腹がすいたので、近くに食べに出る。店員さんは英語のメニューを持ってきてくれたが、ウナ・セルヴェッサ・ポル・ファヴォールだけはスペイン語で言ったら笑っていた。