サンチアゴへ

 サンチアゴ・デ・コンポステラに移動。駅からはタクシーで予約していた大学構内の寮の1室にチェックインする。大会参加の受付も済ませる。これらのことを皆Mが手伝ってくれ、心理的な負担というものがほとんどなくて非常に助かる。
 その後Mが予約していたホテルに行き、チェックインを済ませ、荷物を置く。最上階の小さな一人部屋だが、部屋の窓から300メートルほど離れたところにカテドラルの正面が見え、街の人たちの暮らしもうかがえ、自然の景観も楽しめる絶好の眺めだ。
 あとは街に出て、食べ飲み歩き。フランコ通り(よくこの名前の通りが残っているものだ)の込み入った感じの飲食店でタパスをアペリティフにしてから、レストランに入る。スペインでは昼ご飯が14時から16時くらいなのが普通で、しかも一日で一番重要な食事だったりするから、アルコールもほどよく飲む。ホウレンソウのクロケットが、なかがもちもちしていておいしかったなぁ。イカのクロスミで煮たようなものも、イカが柔らかくておいしかった。
 カテドラルや修道院ももちろん訪れる。カテドラルのファサードは非常に緻密な装飾が施されている。つい数日前の土曜日が聖ヤコブの祭りだったので、相当賑わったようだが、たぶん私が見たのは、かなり日常的な光景だったのではないかと思う。これはたしか巡礼研究をしている後輩から教わったことだが、観光都市として観光客や巡礼者の招致の活動に熱心なのは市のほうで、教会のほうは何もしないのだそうだ。
 歩き疲れたらカフェでコーヒーを飲んだり、サングリアを注文してみたり。そしてあれこれとだべる。持つべきものは友だよなぁという気持ちになってくる。21時くらいになると夕ご飯を食べてもいいかなという感じになってくる。昼をしっかり食べているので、タパスを数皿つまむという食べ方になる。
 前回の旅のときもそうだったが、スペインの生活は非常に楽しくて、夜部屋に帰ってくるときちんと振りかえるようなことができずに疲れて寝てしまい、どうも文章ではうまく伝えられない。もし私が今18歳だったら、フランス語よりもスペイン語を習いたいと思うだろうし、もし生まれ変わることができるのなら、めちゃくちゃ文化資本のあるフランス人家庭でなければ、チップをけちる必要のない程度のスペイン人の家に生まれて、かなり太めの体格になってもいいから、おいしい料理を食べていたい。