発表の日

 この2、3日、すっかりリラックスモードで過ごしたが、実は今日が発表なのだ。朝起きて、最後の読み直しをしながら手を入れる。忘れていることがないように、質問にも耐えられるように、仕入れておくべき情報もさらっておく。
 プレナリーセッション、午前中のセッションと出る。お昼はMと待ち合わせて、軽めのものを食べる。Mとはここで別れる。今回は6年ぶりだったが、次回はもっと早く会おうという話になって、そのうち日本への旅行も検討したいとのこと。
 私の発表は、午後のセッションの最初で、それなりのものではあったと思う。相手にきちんと伝わるようなクリアな構成にして、制限時間のなかで論点を出し、一定の展開をする。課題としては、もちろん棒読みにならないように工夫はしたが、どうしても用意してきたテキストを読む、そして時間が迫れば焦って早く読むという感じになってしまうので、もう少し発表の場を楽しむことができるようなものにしていきたい。もっともこれには何十回という経験が必要だろう。
 聴衆は20人くらいであまり多くはなかったが、反応はよかった。発表後、今回初めて知り合ったセッションの司会者と、部会責任者の一人から激賞された(と言ってよいだろう)。前者はボベロの定年退職後にEPHEのライシテの講座を引き継いだフィリップ・ポルティエで、後者は今回ボベロとともにこのセッションの企画をしたケベックのライシテの専門家ミシュリーヌ・ミロだ。あなたが書いてあるものがあれば読みたいとか、この本まだ持っていないならあげるわとか、こういうことを言っていただけるのは非常にありがたい。もちろん社交辞令が多分に入っているということは認識しているのだが。また、私の自己意識としては、自分なんて本当にまだまだだと思っているのだが、こうした経験を大事にし、励みにし、きちんと成長につなげていきたい。
 それにつけても思うのは、私の場合は、20分程度話す内容そのままの原稿をかなりポイントがあいたもので7ページ用意した(だけな)のに対し、フランコフォンンの発表者の多くは、ポイントがかなり詰まったもので15ページとか20ページとか書いてあるものを――これはもうほとんど論文だ――20分のパフォーマンスで見せてくる。同じようにはできないなとすでに若干諦めている部分もあるのだが、こういうことをしないとなかなか形のある成果にはなっていかないとも感じているので、他の用事との兼ね合いで時間が取れないということを言い訳にしないようにしていきたい。……とはいってもなあ……。……それでもやっぱりなあ……(エンドレス)。