アンチ多忙

 久しぶりの更新になった。この間、ありがたいご縁をいただいたり、ちょっとした朗報が届いたり、残念な通達をもらったり、大変だった時期の記憶が戻ってきて何となく陰鬱になったりした。良くも悪くも人並みなのだと思うが、揺らがぬ主体が自分のなかにあるわけでなくて、自己意識や自己評価の軸もそれなりにぶれるので、頭が固くなりはじめた年ごろというのに、まだまだ対象フィールドに固まっていないところがあるのではないかとネガティヴに考えてみたり、逆に、きちんと刈り取れるところまでいけるかはわからないけど、種をまいておくのはいいことではないかとポジティヴに考えてみたり。
 というわけで、それなりに揺れているというか、流動的な感覚はあるのだが、それは2月の末は名古屋、3月の最初の週は東京に滞在という、いわば旅先の境遇の影響があるのかもしれない。お酒を飲む機会も多くて、栄養のバランスとか身体のコンディションとかもあるはずだ。
 忙しい、ということは、自分ではあまり口にしたくないのだが、ちょっとアップアップな感じになってきた。これまでは、自分がその時点で抱えている仕事の量は、だいたい自分なりに把握していたつもりだったはずなのだが、なんだか最近は、正確な仕事量が見えなかったり、ある仕事を進めているときに別の仕事を忘れているということが、少しずつ増えてきたような気がする。
 こういう時代なので、誰でも多かれ少なかれそうだと思うのだが、誠実さと軽薄さの配分というのがあるはずで、自分としては、この配分の仕方をもうちょっと意識的に上手に構成する仕方を覚えていかなければならないと思っている。時間に追われると、パワーを発揮するよりは、精神的に消耗して意識が狭くなるタイプだと思うので、時間が流れる感覚をつねに忘れない、というと難しいので、少なくとも折りに触れて取り戻すことができるように、しっかりしていたい。
 そうすれば、「まあそこそこ忙しいですけど、そこまで忙しくはないですよ」とか、「時間がない仕事は仕事とは言えませんから」くらいの強がりは言えるのではないだろうか・・・そのぐらいは言っていきたいなあ。