高温注意情報

 今の学部には、教員が参加するランチタイム・フリートークというのがあって、まずは新任教員に出番が回ってくる。私の番は昨日で、「宗教からの脱出と宗教の再構成――フランス語圏地域研究から見た政教関係の国際比較のために」というタイトルでお話をさせていただいた。内容的には普段から考えていることなのだが、レジュメは直前に用意して、ぶっつけ本番のような発表になった。各地域の専門の先生方の前で話をしたので、緊張した。その場で、英語学科、ロシア語学科、ドイツ語学科の先生方から貴重なコメントをいただき、ありがたかった。
 この発表を終えて、少し一息をついている。
 うちの大学は夏の節電対策のため、今学期は授業を2週間早めに切り上げることになっており、私が担当している授業も先週末ですべて終了した。仙台で3・11を経験し、4月は予定通りの日程で授業がはじまり、しかも担当科目はすべて今年からだったので、なかなかたいへんだったが、何とかここまで来た。試験やレポートの採点、各種会議も残っているが、個人的には学務面で忙しいピークは越した。学期中はおろそかにならざるをえなかった研究面に、少しずつ時間を割くことができる計算である、理論上は。
 理論と実際が違うのは、もちろん暑いからである。
 気象庁が「高温注意情報」を出すようになったということだが、これに対応する仕組みがさまざまな機関にあっていいように思う。うちの上の娘が通っている幼稚園では、昨日・一昨日あたり、10人くらいが急にパーッと熱を出して、早退したそうだ。戦前の話だが、昔は東京で30度を超えると、学校は休みになったと聞く(どのくらい一般的な話だったのかはわからないけれども)。
 学期中に高温注意情報が出るのが1、2回ならともかく、10日連続とかなった場合には、授業時間の確保はどうするのかとか、いろいろな問題が出てくるかもしれないけれど、高温注意情報が出ている日は、学校を休みにするとか、そういうことも併せて考えていくとよいのではないか。と、30度台が常態化する日本の夏が苦手な私は思う。