11月5日 砂川政教分離裁判(宗教法学会)@東京基督教大学

 第63回宗教法学会(2011年度秋季学会)が11月5日(土)、東京基督教大学(千葉県印西市)で行われます。シンポジウムのテーマは、「砂川政教分離裁判とその後――国公有地上の宗教施設をどのように取り扱うか」。詳細はこちら

10月3日ミシュリーヌ・ミロ氏講演会@上智

来る10月3日、以下のようにミシュリーヌ・ミロ氏の講演会が行なわれます。

宗教の多様性をどう教えるか―ケベックの「ライシテ」体制における宗教教育―
ミシュリーヌ・ミロ教授 講演会
カナダ・ケベック大学モントリオール校(UQAM)社会学教授
モントリオール大学連合民族学研究センター(CEETUM)
日時:2011年10月3日(月) 17時より
場所:上智大学12号館 201 教室
言語:フランス語(日本語の通訳と解説が付きます)


【内容予告】カナダのケベック州は、北米にあってフランス語圏で、カトリックの影響が強い地域ですが、20世紀後半以降、大きな社会的変動を経験し、多くの移民を受け入れるなか、社会の多元化が進んでいます。このような独特の歴史と文化的豊かさを有した社会で、宗教はいかなる位置を占めているのでしょうか? 学校では、どのように教えられているのでしょうか?
本講演では、2008年からの新プログラム「倫理・宗教文化」教育がどのような経緯で導入され、何を目指しているのかが論じられる予定です。
日本でも、学校での宗教教育はホットなテーマです。政教分離体制のもと、宗教情操教育や宗教文化教育は可能なのか、どうあるべきなのか――そうした議論ともつながる話になるはずです。

【講演者紹介】ミシュリーヌ・ミロ氏は、ケベックに軸足を置いたライシテ(政教分離・世俗性)研究の第一人者で、『新世界のライシテ』(2002年)や、『越境するライシテ』(2011年、ジャン・ボベロとの共著)などの著書があります。「倫理・宗教文化」教育の方向性を決めた「プルー報告書」(1999年)の執筆者の一人でもあります。

【主催】上智大学国語学部フランス語学科、上智大学アメリカ・カナダ研究所
【後援】日本ケベック学会
問い合わせ先:フランス語学科事務室 (03)3238−3744

なお、本講演会は、UNIFA(アジア・フランコフォン大学)の関連講演会のひとつです。

9月29日〜10月1日 UNIFAアジア・フランコフォン大学@日仏会館

この学術シンポジウムには、中国、韓国、香港、日本、台湾、ケベック州(カナダ)、フランスの研究者約30人が出席し、「アイデンティティー、デモクラシー、グローバリゼーション」をテーマに、フランス語で講演やパネル・ディスカッションが行われます。

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 私は3日目の10月1日に、ライシテのターブルロンドで、和辻哲郎の宗教への文化的アプローチから、日本のライシテを語ることができるだろうか、という内容の話をする予定です。

講演会「イタリアにおけるライシテ」

 来る8月31日、以下の要領でイタリアのライシテについての講演会が行なわれます。ショート・ノーティスですが、ご関心のある方はぜひご参加ください。

A.ザンバルビエーリ氏講演会 「イタリアにおけるライシテ」
日時:8月31日(水)16時〜
場所:東京大学駒場キャンパスI, 18号館コラボレーションルーム
使用言語:フランス語(日本語逐次通訳あり)
入場無料・事前登録不要
主催:科学研究費・基盤研究B「共生の宗教へむけて――政教分離の諸相とイスラーム的視点をめぐる地域文化研究」(研究代表者:増田一夫)

本日発売

社会統合と宗教的なもの ― 十九世紀フランスの経験

社会統合と宗教的なもの ― 十九世紀フランスの経験

 若手研究者の論文集で、個々の論考は独立していますが、一書としてのまとまりもあるのではないかと思います。
 政治学・宗教学・社会学・フランス研究のコラボになっているのも、特徴的な点かと。
 大きな社会的な変動のさなかで新しいきずなが求められるという経験は、今の日本にも通じるところがあるかもしれません。
 個人的には、「社会」「統合」にもいろいろな位相があることを再認識しています。
 お手に取っていただけると幸いです。

読書会

 ケベック研究、カナダ研究ではまだまだ新参者ながら、少しずつきちんと勉強していかなければと思っていたところ、ちょうど明治にインターカルチュラリズムを研究している院生がおり、読書会をしようという話になりました。
 第1回目は、様子見という感じですが、7月27日15時から、ブシャールの次の本の第6章第1節を読みます。

ケベックの生成と「新世界」―「ネイション」と「アイデンティティ」をめぐる比較史

ケベックの生成と「新世界」―「ネイション」と「アイデンティティ」をめぐる比較史

 2人だけではさみしいので、学部のゼミ生の有志にも声をかけましたが、おそらく数名程度の小規模なものになります。主宰者が素人じみていますが、もしご関心のある方がおられましたら、当方までご連絡ください。

高温注意情報

 今の学部には、教員が参加するランチタイム・フリートークというのがあって、まずは新任教員に出番が回ってくる。私の番は昨日で、「宗教からの脱出と宗教の再構成――フランス語圏地域研究から見た政教関係の国際比較のために」というタイトルでお話をさせていただいた。内容的には普段から考えていることなのだが、レジュメは直前に用意して、ぶっつけ本番のような発表になった。各地域の専門の先生方の前で話をしたので、緊張した。その場で、英語学科、ロシア語学科、ドイツ語学科の先生方から貴重なコメントをいただき、ありがたかった。
 この発表を終えて、少し一息をついている。
 うちの大学は夏の節電対策のため、今学期は授業を2週間早めに切り上げることになっており、私が担当している授業も先週末ですべて終了した。仙台で3・11を経験し、4月は予定通りの日程で授業がはじまり、しかも担当科目はすべて今年からだったので、なかなかたいへんだったが、何とかここまで来た。試験やレポートの採点、各種会議も残っているが、個人的には学務面で忙しいピークは越した。学期中はおろそかにならざるをえなかった研究面に、少しずつ時間を割くことができる計算である、理論上は。
 理論と実際が違うのは、もちろん暑いからである。
 気象庁が「高温注意情報」を出すようになったということだが、これに対応する仕組みがさまざまな機関にあっていいように思う。うちの上の娘が通っている幼稚園では、昨日・一昨日あたり、10人くらいが急にパーッと熱を出して、早退したそうだ。戦前の話だが、昔は東京で30度を超えると、学校は休みになったと聞く(どのくらい一般的な話だったのかはわからないけれども)。
 学期中に高温注意情報が出るのが1、2回ならともかく、10日連続とかなった場合には、授業時間の確保はどうするのかとか、いろいろな問題が出てくるかもしれないけれど、高温注意情報が出ている日は、学校を休みにするとか、そういうことも併せて考えていくとよいのではないか。と、30度台が常態化する日本の夏が苦手な私は思う。