2006-01-01から1年間の記事一覧

昼から牛タンパーティ

さて先週末、久しぶりに5人ほど人を招いて、ちょっとした昼食パーティとなった。私たちは二人とも、人を招いてご飯をぱーっと振舞うのが結構好きなので、数日前からこの日のメニューは何にしようか?と話し合っていた。午前中に出かける用事があった私は、夫…

1周年記念日

しばらくぶりの更新となってしまった。3月の第二週は博論に没頭し、第三週はアルバイトに出かけ、第四週は書類作成に勤しんでいた。そうこうしているうちに、あっという間に3月も終わりになってしまった。 なかでも書類作成は、とある機関への応募にかかわる…

かろうじて、探す春

実家から、杏の花だよりが届いた。3月の春の足音を生ぬるい風や枝先の芽のふくらみに感じたくてうずうずしている私なので、まだ陽光だけというのでは味気なくて、さすがにお正月以来の日本の季節感恋しさにとらわれている。やっぱり、この違いは湿度の問題だ…

「見る」現象の謎@古代ギリシア

さて、2月末に提出するはずだったレポートが昨日ようやく終わった。例によってぎりぎりに取り掛かり、締め切りをおしてしまうという ;;相変わらずなパターンで、反省することしきり;。それにしても、プラトンの「ティマイオス」に手間取った! hfさんから日…

ラファエロとアンドレア・デル・サルト

リールにも春の日差しが感じられるようになってきた。気温はまだそれほど高くはなく、2、3日前など小雪もぱらついたが、日は着実に長くなっている。日中、晴れているときには、あの雄大なフランドルの雲が、澄んだ水色の空を背景にゆっくりと空を渡って行…

Munichの日本版パンフ

昼食の洗い物を終えて、ほっと一息、お茶を飲みながらふと外を眺めたら雪が降っている。リールの雪はさらさらした粉のようなものが多いのに、今日はずいぶんと湿気を含んで、日本の雪みたいにばしゃばしゃ降っている。 先ほど日本から届いた荷物の中に、「Mu…

一時帰国に際して和書を仕入れる

一週間の日本滞在を終えてリールに戻ってきた。国際研究会議のお手伝いに多くの時間を割くことになり、日本で読もうと思って持ち込んだフランス語の本は(予想通りとはいえ)一行も読めなかった。滞在中に一度は更新しようと考えていたブログにも、手をつけ…

漠然と、ユマニテを思う

同じ事件が起こったときの受け取り方の違いは、まあそれはそれは複雑な背景があるのだろうし、貧富の差を含め、色んな社会状況の違いと、教育の違いが大きいのだろうけれど、最近に限らず、あちこちで起こっている物騒な事件を見るにつけて、改めて感じてい…

米英露仏政治指導者の宗教観――新刊紹介

前回のエントリーでは、多くのアクセスをいただきまして、ありがとうございます。超マイナー・ブログのつもりでしたから、おそらく一番驚いているのは私(たち)だと思います。張っていただいたリンクを手がかりに辿って、いろいろと秀逸な記事も読むことが…

マホメット・カリカチュア事件

ここのところ、日本も含め、世界のメディアを賑わしている「預言者風刺漫画問題」だが、この進行中の事件を自分なりに、暫定的に、整理してみたい。思い立った理由は、この事件が「フランスのライシテ」や「宗教と民主主義」という私が関心を抱いている問題…

幸田文と奉仕精神

幸田文の読まれ方には様々あると思うが、今回私は「仕える人」の視点やあり方に関心があって、彼女の作品を追っていたように思う。偉大なる学者小説家である幸田露伴を父に持ち、その父から「お前は学問には向かない」と早くからレッテルを押され、10代の半…

漱石『行人』

ここのところ生活が比較的宵っ張りで、なかなか寝つけないのをいいことに、漱石の『行人』を読み返した。 今から7、8年ほど前の話になるが、明治後期・大正期の知識人の宗教観に関心を抱くところから、そもそも私の研究生活らしきものははじまったので、漱…

思い出のお好み焼き

一昨年の今頃、出向先での仕事が本当に大変で、身も心も一杯一杯になっていたとき、丁度弟が同じように大阪の会社に出向になって、私の仮住まいだった神戸のほうまで遊びに来たことがある。本当に、身近な人との会話に飢えていたのだろう、弟と出歩けるのが…

記事クリップ――ベネディクト16世の教皇勅書

ベネディクト16世が1月25日、教皇になってから初めての教皇勅書「デウス・カリタス・エスト」(神は愛なり)を発した。ラツィンガー枢機卿時代はハーバーマスと対談したこともあるなど知的で哲学的なことで知られる教皇だが、ある意味で彼らしく「愛」という…

パエリアを作った

ここのところ半年くらい、料理はほとんど家内に任せっぱなしだが、別に自分で料理するのが嫌いだとか苦手だとかいうわけではない。渡仏して1年目は、ラルースのCuisine facileという図鑑みたいな本を買って、フランス語の勉強を兼ねながら一品一品レパートリ…

フランス19世紀中葉の宗教的社会主義

(ふ)のお母様も無事に帰朝なさり、私たちの長かった冬休みにもそろそろいい加減終止符を打たなければならない今日この頃、どうもなかなかエンジン再始動のきっかけがつかめずにいたのだが、今日何となく最初の感覚があった。 つまっていたのも理由がないわ…

モンテヴェルディ、聞かずに語る 2

モンテヴェルディという作曲家は、ルネサンス音楽からバロック音楽への転換点に位置すると言われる。フィリップ・ボッサンの著作『モンテヴェルディ、オルフェオの歌』では、モンテヴェルディが1607年に発表した初のオペラ「オルフェオ」がまさにそのルネサ…

ブリュージュの風格――世紀末の場合

ブリュージュに出かけてきた。中世最強と言われたブルゴーニュ家の繁栄の面影をとどめた古都ブリュージュ。ファン・アイクの精緻な技法が何らかの回路を通って細かく編まれたレースに連なっていきそうな街ブリュージュ。メムリンクの静謐な祈りを、今でもと…

モンテヴェルディ、聞かずに語る 1

デカルトの大家、ジュヌヴィエーヴ・ロディ=ルイスの著作に、『芸術への眼差し(Regards sur l’Art)』という、芸術とデカルト哲学あるいは彼女の思索をからめた短い論文が集まる一冊がある。目次に並ぶタイトルだけでも、「プラトン、ミューズと美」「デカル…

勇気と幸福(アラン)

フランスの正月が日本の正月のようにのんびりした感じでないというのもあるし、「ふ」がレポート・モードで頑張っているのを横目で見ながら年越ししたということもあるのか、今年はとりわけ新年を迎えたという感慨が薄い。昨日こちらと似たような境遇のリー…

遅ればせながら新年バトン

遅くなっちゃいましたが、 あけましておめでとうございます。 どうぞ今年もKIYONOBUMIEをよろしくお願いします・・・ なんて、ブログでの挨拶って何か微妙な感じですね!さて年末からモンテヴェルディのレポートに掛かりっきりで、31日におせちを作った以外…