ジャン・ボベロ教授講演会

5月後半、ライシテ研究の第一人者ジャン・ボベロ教授が来日し、東京の複数の場所で講義・講演をします。 招聘の中心にいるのは中央大学の三浦信孝先生で、以下のような案内をいただいています。 laïcitéは非宗教性・脱宗教性・世俗性・政教分離などと訳され…

思ったより低くなかった

鳩山政権が幸福度調査を行なうということ、その数字がどうなるかということに注目していました。「10点満点で6.5」ということで、思ったより低くないかも、というのが第一印象。 単純な比較はできないけれど、ケベックで2007年に行なわれた調査では、ケベコ…

『民主主義と宗教』書評2本

白水社発行の雑誌「ふらんす」5月号に、三浦信孝氏によるマルセル・ゴーシェ『民主主義と宗教』の書評が載りました。民主主義と宗教作者: マルセル・ゴーシェ,伊達聖伸,藤田尚志出版社/メーカー: トランスビュー発売日: 2010/02/02メディア: 単行本購入: 1…

〈私〉時代のデモクラシー

宇野重規先生より、新著『〈私〉時代のデモクラシー』をご恵送いただきました。ありがとうございます。〈私〉時代のデモクラシー (岩波新書)作者: 宇野重規出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2010/04/21メディア: 新書購入: 10人 クリック: 174回この商品を…

研究会コメンテーター

関西学院大学の「東京」丸の内キャンパスにて、デュルケーム/デュルケーム学派研究会。 荻野昌弘先生のご発表「ユートピア、野蛮/原初/未開、他界――三つの異空間表現と社会学」のコメンテーターを務めさせていただく。 社会が自己認識に至ったのは他の回…

いよいよ

昨日は長女の幼稚園の入園式に出席。次女がちょうど1歳半になった記念日でもある。 先週から新学期ははじまっていたが、明日からがいよいよ本番。抱えている課題が結構あって、大丈夫かなと心配していると、気ばかり焦ってなかなか調子に乗れない。気持ちを…

洛北出版のブログより

青土社の編集者が教えてくれたのですが、洛北出版のブログに、ルネ・レモン『政教分離を問いなおす』が取りあげられています。 たまった仕事そっちのけで、のめりこんでいただけたとは、お仕事のほうは大変でしょうが、こちらとしてはありがたいです。本づく…

あとがきのきぃ

もうすぐ私の単著が出ます。(ウソ) 少なくとも2010年中には出ます。(ホント) 夏ぐらいだと思います。(どうかなあ……) 初校の控え刷は出ていて、この短い春休みのあいだ、直している。編集者の方が結論について、いくつか的確なご指摘をくださっていたの…

ゴーシェ『民主主義と宗教』(近藤光博さんのブログ)

近藤光博さんがインドに行かれているあいだ、近藤さんのブログでは連日ゴーシェの『民主主義と宗教』が取りあげられておりました。民主主義と宗教作者: マルセル・ゴーシェ,伊達聖伸,藤田尚志出版社/メーカー: トランスビュー発売日: 2010/02/02メディア: 単…

35歳になった

今日が誕生日で、35歳になった。 少しは落ち着いてきたのだか、錆ついてきたのだか、展望が開けてきたのだか、焦点がまだ定まっていないのか、よくわからない(焦点が定まっていないのだとしたら、まだ落ち着いていないということになるかもしれないし・・・…

ライシテ関連新刊――ルネ・レモン『政教分離を問いなおす』

ルネ・レモン『政教分離を問いなおす』が青土社より刊行されました。工藤庸子先生の肝いりの本ですが、私もお手伝いをさせていただきました。政教分離を問いなおす EUとムスリムのはざまで作者: ルネ・レモン,工藤庸子,伊達聖伸出版社/メーカー: 青土社発売…

自由放任型の自由主義の欠点を克服する新自由主義

ウィリアム・ローグ『フランス自由主義の展開』ミネルヴァ書房、1998年(原1983年)を読んでいる。 フランス第三共和政の創設は、政治思想的に言うと、レッセ・フェール的な自由主義を拒み、個人の自由を前提としながらも、民主主義的な共和政としての国家の…

アンチ多忙

久しぶりの更新になった。この間、ありがたいご縁をいただいたり、ちょっとした朗報が届いたり、残念な通達をもらったり、大変だった時期の記憶が戻ってきて何となく陰鬱になったりした。良くも悪くも人並みなのだと思うが、揺らがぬ主体が自分のなかにある…

スタジ委員会の「悲劇」を繰り返さないために

アクチュアリティを「追う」には反応が遅すぎるが、フランスでは、1月末に下院の調査委員会が「ブルカ禁止」の提言を盛り込んだ報告書を提出した。 あとでネット記事を紹介しようと思うが、日本のメディアでも話題になっている。 2004年の法律は学校でのス…

宗教と民主主義研究会

前回のエントリーでは『民主主義と宗教』合評会の宣伝をしたので、相当紛らわしい印象を与えるはずだが、「宗教と民主主義研究会」とは、去年の12月に民主党のなかに発足したもので、宗教法人への課税を検討している。端的に言えば、政権交代前の自民党にと…

『民主主義と宗教』合評会@南山大学

先日のエントリーで刊行をお知らせした『民主主義と宗教』ですが、下記のように、2月26日、南山宗教文化研究所(南山大学)にて、合評会が行なわれます。 共訳者の藤田さんのブログ、評者の粟津さんのブログ等ですでに紹介されていますが、私のほうからも宣…

雪のなかの温泉のちケベック

2月4日までの懸念事項をとりあえず終え、ひとつ遅れていたものに目処をつけたので、ちょこちょこした仕事は溜まっているのだけれど、疲れも溜まってきたということで、家族の「この雪の週末、どっか行こーよ」の声にも押し切られ、作並温泉に浸かりに行く…

英語強化週間

研究においても、日常生活においても、今の段階では使い物にならない、ということにかけては自信のある(自慢するな!)私の英語力。フランスから帰国して、最初に指導教官からいただいたありがたいお言葉が、「じゃ、次は英語がんばらないとね」だったので…

『民主主義と宗教』

このたび、トランスビュー社より、マルセル・ゴーシェ『民主主義と宗教』(伊達聖伸・藤田尚志訳)が刊行されました。民主主義と宗教作者: マルセル・ゴーシェ,伊達聖伸,藤田尚志出版社/メーカー: トランスビュー発売日: 2010/02/02メディア: 単行本購入: 1…

小児生体肝移植に見る現代日本人の死生観・宗教観

という研究をはじめようと思っている。自分自身、小児生体肝移植のドナーとなり、この経験は非常に個別的なものだから、胸の内に取っておこうという思いのほうが最初はむしろ強かったのだが、時間とともに、自分の経験から少し距離が取れるようになってきた…

フレッシュ・プリキュアは次週で最終回

私は自分の属する世代の割には、オタク的要素は相当希薄だと思うのだが、そんな風に思われるかもしれないというエントリー。 私がはまったというより、長女が見ているのだが、明るい「フレーシュ、フレーシュ」の歌声が「フレー、フレー」にも聞こえて、割と…

グローバル化の時代こそフランス語を

TV5が日本に上陸しそうだという記事を読んで驚き、そしてやはりちょっと嬉しくなった。 日本人が現代世界をきちんと見ていくためには、英語ともうひとつの言語が必要だろうというのが数年前からの持論。英語コンプレックスの裏返しでもあるけれど(笑)。 …

政教分離で違憲判決

北海道砂川市の政教分離訴訟、もちろんライシテの研究者として、日本宗教史をフィールドのひとつとしている者として、また宗教学に携わっている者として、どのような判決が出るか、数日前から注目していたのだが、そして鋭い洞察をしてみたり、気の利いたこ…

中等教育現場と文部官僚の行き来について

1月10日の朝日新聞の教育欄に「「こうなるはず」は通じない――キャリア官僚から中学校長に転身して」と題して、浅田和伸さんのことが取り上げられていた。文科省のキャリア官僚が、都内の区立中の校長になり、距離感を確かめながら、いい意味での試行錯誤を繰…

時差ボケと不肖の弟子

帰国してから何日か経つが、14時間の時差はきつく、夜は1時間半くらいで目が覚めてしまい、昼のシエスタが3時間くらい続く。 白水社の出版案内を見ていて、リールでの恩師ジャック・プレヴォタ先生の『アクシオン・フランセーズ』が刊行されたことを知り、早…

研究活動

ケベックに来て、ちゃんと研究活動しているのだということも書いておこう。 CEETUM(モントリオール大学連合民族研究センター)は、モントリオールに拠点を置く各大学の研究者が集い、さまざまなプロジェクトを行なう研究センターになっていて、出版物の点数…

「ル・ドゥヴォワール」紙創刊100年

ケベックを代表する「ル・ドゥヴォワール」紙が創刊100年を祝ったというのが、1月11日の同紙の一面トップを飾った。「俗」に「高級紙」と言われるもので、フランスだと「ル・モンド」に相当するものと言ってよいだろう。 一面の下に見た顔があると思ったら、…

どうぶつえん

(妻の(ふ)、長女・次女は、パパがケベックにいる間東京の実家に戻っております。)1月11日、くもり。まあちゃんかりんたんと、うちの両親、仲良しのMちゃんHちんと、大人子ども総勢7人で、上野まで。お目当ては動物園。 まあちゃんは実は動物園と縁が深…

モントリオール雑記

モントリオールに来ている。初めての街で、まだ着いたばかりだが、すでに結構気に入っている。 心配していた気温は、耐えられなくて途方に暮れるほどではない。現地に着いたらすぐに本場の耐寒のもの(上着、帽子、靴)を揃えなければだめかと想像していたが…

形だけ整えても

上京。明日からケベック。今回悩んだことにつき、相談相手になってくださった先輩にお会いする。すっかりご馳走になってしまう。ありがとうございました。 去年の政権交代は、日本の民主主義や市民の意思の成熟だとか、これで日本も二大政党制だとかマスコミ…